「人に流されるままに生きてきた」なんて信じられない…
そう思わずにはいられない。 こう語るのは、哲学者・鷲田清一さんだ。 1950年代から今日にいたるまで、夥しい数の作品を世に送り出し続けて 1977年に生まれ、2012年まで川越に住んでいた。 そのうち数年間はインドにいたけれど、かなりの月日を川越で過ごしたことは間違いない。
35年も住むと、街はどんどん変化する。 様々な風景が、思い出の 本書『命を選ぶ 遺伝病の運命に抗ったある女性の物語』は、「網膜芽細胞腫(もうまくがさいぼうしゅ)」という遺伝病を抱えたひとりの女性の切実な願いから始まる。 ――子供に病気を遺伝させたくない。