2026年3月の大相撲春場所3日目から一夜明けた午前、甲山親方(53)=元幕内大碇、本名斎藤剛、京都府出身、伊勢ノ海部屋=の背後で不意に、何かが置かれた音がした。
「ドサッ」。 懸賞金21本の束だった。 こたつに鍋が置かれると、匂いに誘われて一人、また一人と、おわんや酒瓶を手にした学生が集まってくる。 宅配の荷物が積み上げられ、本やがらくたが散らばる廊下の一角でかれらは鍋をつつき、酒を酌み交わしながら 関東地方に住む40代の咲希さん=仮名=は、夫から数年にわたり、精神的DVを受けていた。 決して体を殴られるわけでも、物を投げつけられるわけでもないが、心身は確実にむしばまれていった。